箱根駅伝を控える中、今季の注目度株筆頭ともいえる存在である平林清澄選手。
國學院大學に入学してからすべての駅伝大会に出場し続けている、國學院のエースであり主将を務めました。
愛用品やエピソードを交えながら箱根駅伝へかける想い、結果まで徹底解剖しました。
平林清澄のプロフィール
平林清澄選手は、2002年12月4日生まれの21歳で、福井県越前市出身です。
身長は168cm、体重は43kgの小柄な体格ながら驚異的な持久力を誇ります。
主な経歴
平林選手は福井県の武生第五中学校、美方高校を経て、國學院大學に進学しました。
大学1年生から三大駅伝である出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝に出場し、チームのエース選手として活躍してきました。
昨シーズンの全日本大学駅伝では7区で初の区間賞を獲得し、箱根駅伝では2年連続でエース区間の2区を任され、8人抜きの区間3位の走りを見せました。
また、今年2月の大阪マラソンでは2時間06分18秒の日本人学生記録を樹立し、優勝を果たしています。
主な記録
- 5000m: 13分55秒30
- 10000m: 27分55秒15
- ハーフマラソン: 1時間01分23秒
- マラソン: 2時間06分18秒 (日本人学生記録)
特徴
自分の長所である「軽さ」を活かした、エネルギッシュな走りが持ち味です。
チームメイトからは「スーパールーキー」と呼ばれるほど、1年生からの活躍が目覚ましいです。
大阪マラソン優勝を機に、日本マラソンの『シンデレラボーヤ』と言われました
2024年度は主将を務め、「箱根で勝つビジョン」を掲げてチーム全体の意識を高めてきました。
結果は総合3位という、過去最高位と並びました。
交友関係やエピソード
山本歩夢選手はライバルであり、盟友であり相棒
國學院大學の副主将である山本歩夢選手は、同級生で入学時から切磋琢磨してきた関係。
バチバチのライバル関係かと思いきや、とっても仲が良いようです。
もちろんライバルとしてもありますが、お互いを尊重し合っています。まさに”バディ”のような存在。
平林選手は主将として後輩に厳しくする一方、山本選手は副主将として優しくサポート。お互いを補い合っているんだとか。
故障で苦しんでいる期間に平林は大阪マラソンで優勝するなど、学生の域を超えて結果を残すようになり、どんどん差を広げられたという。走れない時期に「歩夢、待っているから」と掛けられた言葉は心に染みた。
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2人の友情が垣間見えますよね。
第99回箱根駅伝のエピソード
平林選手が2年生の時に、箱根駅伝の最中に駒澤大学の田澤廉選手へ写真と握手を求めていました。
写真と握手を交わし、会話も少しできて嬉しそうな平林選手。
田澤選手と離れたのち、「やった!ドキドキした!」と言っているシーンが放映されました。
とっても可愛いですよね。憧れの選手と会えて素直に喜んでいる姿が印象的でした。
駒澤大学に入る可能性があった?
國學院大學の前田監督は「初優勝しよう」と平林選手を口説いたそうです。
ですが同時に、駒澤大学の大八木元監督からも大学へ勧誘されていました。
駒澤大学の寮を見学予定でしたが、コロナ禍となり寮の見学はできませんでした。
それ以前に平林選手は「國學院に行きます」と前田監督に言っていたそうですが、大八木監督は寮に見学していればきっと駒澤だったと前田監督に言ったそうです。
駒澤大学の寮を見たら気持ちが変わっていたかわかりませんが、箱根駅伝史上最高位3位入賞時の前田監督の”男泣き”を見て國學院大學へ入ることを決めたとのことだったので、きっと國學院だったのではないでしょうか
2024年全日本大学駅伝のエピソード
國學院大學悲願の初優勝となった2024年全日本大学駅伝。
しかし平林選手は、「駅伝というレースには勝ちましたが、自分のなかで勝負には負けたと思っています」と語っています。
4年連続となる7区を任され、2位でタスキを受け取った時点で1位青山学院大学とは4秒差。
一時は青山学院大学の太田選手を抜きますが、太田選手がぴたりと後ろに着く状態に。
太田選手がラストスパートをかけると平林選手もくらいついていき、とても良い勝負をしていましたが差は縮まらず8区へまた4秒差でタスキをつなぎました。
結果として8区を任された上原選手が青山学院大学を抜き、優勝となりましたが平林選手としては悔しい結果に。
走り終わって前田監督に電話をかけながら泣いてしまったそうです。
前回の全日本大学駅伝では区間賞を獲っていたので、平林選手にとっては悔しい結果。
しかし前田監督と平林選手の信頼関係を垣間見えた瞬間でもありました。
箱根駅伝への想い
今季のインタビューでは箱根駅伝に向けて「120%の準備をしていきたい」と語っていました。
2024年12月13日に第101回箱根駅伝へ向けて壮行会が開かれました
以下、平林選手のコメント
「國學院大學に入学したきっかけが前田監督の男泣きを見てというのがあります。今年こそ前田監督の大号泣が見られるように、箱根駅伝総合優勝取れるように頑張ります!応援のほどよろしくお願いします」
平林清澄の愛用品
平林選手は、アディダス社製のシューズとウェアを愛用しています。
ランニングシューズは「タクミセン9」を使用。
また、レース中は首にコラントッテNSマグネバンを貼り、血行を良くして筋肉をほぐすのに役立てています。
シューズ(靴)
アディダスの「タクミセン9」は、平林選手が愛用するランニングシューズです。
薄底で反応が速く、軽量設計なので、平林選手の「軽さ」を活かした走りに適しています。
なぜ周りが厚底シューズの中、平林選手は厚底シューズを履いていないのか?
平林選手の持ち味である”軽さ”を生かすためにアディダスの「タクミセン9」を愛用しているようです。
「厚底ってすごくクッションがありますよね。地面にバンッてついたときに、最初にアウトソール(靴底)がパンッてついて、ミッドソールのクッションが潰れるじゃないですか。バキュンッて。潰れた部分がガンッて跳ね返って地面から離れるんですけど、そこの時間差が嫌なんですよ。潰れて、反発するまでにタイムラグがあるのが気になってしまう。
それに厚底だと、接地の時に足の回りが遅くなるんです。ガーンッて跳ねはするんですけど、回転が遅くなって走りの動きがゆったりになってしまう。僕の強みは『軽さ』とか、『回し』なので、ちょっと合わないんです。それに厚底を使っちゃうと、もう自分の力じゃないというか……僕は大きな反発というよりも、自分の足を使って走りたいんです」
高校時代の平林はトラックもロードもすべてASICSの薄底シューズの定番である「ソーティーマジック」で走っていた。周囲が厚底シューズを履いても手を伸ばそうと思ったことはなかったというが、高校時代から今に至るまで自分の走りの「強み」を正確に理解し、それを活かせるシューズを選んできたということだろう。
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平林選手が愛用している靴がこちら。
前大会である第100回箱根駅伝で履いていた靴で大阪マラソンにも出場しています。
平林選手は「adidas Adizero タクミセン9」を愛用されていますが、最新モデルはタクミセン10になります。
平林選手のこだわりがあるのでしょうね。あえて最新モデルを履かない人も多いようです。
上述しましたが厚底シューズを履く選手が多い中、薄底シューズを愛用されています。
厚底シューズというのは、ソールの厚さが世界陸連の規定「40mm以下」をぎりぎり下回る厚いミッドソールを備えているもので、NIKEのアルファフライやヴェイパーフライ、ASICSのメタスピードシリーズ、adidasのアディオス プロが該当します
青学が優勝し始めた頃、選手全員がNIKEの厚底シューズを履いていて話題になりました
第101回箱根駅伝もadidasを着用されていました。
その他の愛用品
平林選手はレース中、首にコラントッテNSマグネバンというシールを貼っています。このシールには血行を促進する効果があり、平林選手は筋肉のコンディショニングに役立っていると感じているそうです。
平林選手といえばいつも首周りに貼っているのがおなじみになっていますよね。
就職先は?進路はどうする?
平林清澄選手の進路はロジスティードに決定しました。
前田監督の元で競技し続けられる環境を選んだようですね。
学生ながら日本歴代7位(当時)の好記録をマークした逸材に対し、多くの実業団チームが勧誘。その中で、平林は家族や国学院大の前田康弘監督(46)らと話し合いを重ねた結果、卒業後も国学院大を主な練習拠点とすることを希望する平林の意思を最大限に尊重したロジスティードを選択。また、ロジスティードで練習をすることもあるため、同チームに有望な若手選手が多く在籍することも決め手となった。最終的に、来年の東京世界陸上、28年ロス五輪で日本代表を目指すためにロジスティードが最適の環境と判断した。
初マラソン日本最高&日本学生記録の国学院大・平林清澄が来春、ロジスティードへ – スポーツ報知より引用
超大手の実業団チームではありませんが、平林選手らしい選択な気がします。
また、東海大学の野島健太選手もロジスティードへの進路が内定しています。
ニューイヤー駅伝や世界陸上、オリンピックに出場し素晴らしい走りをぜひ拝みたいです・・!
2024年箱根駅伝の結果
平林清澄選手は、箱根駅伝で活躍が期待される國學院大學の主将。
軽量な体格ながら驚異的な持久力を誇り、大学入学以来の三大駅伝で安定した成績を残してきました。
アディダス製の軽量シューズや、國學院大學のカラーを反映したウェアなどの愛用品も注目されています。
前回の箱根駅伝では12月に部員複数名がインフルエンザに感染してしまい、思うような結果が出せませんでした。
2025箱根駅伝総合3位
総合3位という結果になりました。
出雲、全日本、ときて優勝を狙っていた以上とても悔しい結果となりましたが、総合3位という過去最高位と並んだ輝かしい結果。
平林選手の主将として最後の挨拶
主将として最後の挨拶で平林選手は下記のように語りました。
「歴史を変える挑戦。正々堂々と最後まで青学と駒澤と勝負できた。こんなに嬉しいことはない。本当に日本一幸せな挑戦ができるときの主将でいられて日本一幸せだと思います。
ここだけは、駒澤にも青学にも負けていない。
こういうチームで1年間やれたことが本当に幸せです。
前田さん、
主将に選んでくれてありがとうございました。
僕を國學院に呼んでくれてありがとうございました。
4年間一緒にやれてよかった。本当にありがとうございました。
襷は繋ぎました。後は後輩たちが、たぶん来年、大手町に、トップで襷を叩き込んでくれると思います。
来年もいるからね、俺も。一緒に胴上げしてね。胴上げされたい」
涙ながらに、笑いを交えて平林主将が語ってくれました。
涙なしには見られませんでした。
本気で優勝を獲りに行ったからこそ、私たちには想像できないほど悔しい思いをしたことでしょう。
ぜひ実業団チームで、そして世界で、この悔しさを晴らしてくれる日を待っています。
まずはお疲れさまでした。
そしてこれからも応援していきましょう!!!!